全部おとぎ話であれ

きらいなものを1000文字で語る

濃厚接触

濃厚接触というワードに未だにちょっと照れる。たくさん勉強した頭のいい人が大勢集まっとんじゃけーなんか他にいいの無かったんか。

 

 

偉い人が大真面目にやる「呼び名は濃厚接触者で統一しましょう」みたいな会議で絶対端の席の若い奴が「やーなんかもうちょいパッとしたワードないすかねえ…」と喉まで出かかっていたはずなのだ。

 

 

接触はまあアリとしても濃厚はさすがに無い。個人軸すぎる。濃厚かどうかは個人の育ちに左右されるし実際私も女子校出身の大学の同級生が腕を組んできた時はぎょっとした。でもそれはあくまで私にとっての濃厚であり彼女に何も落ち度もない。

 

 

納得いかないので「濃厚 類語」とググったら「どぎつい、強烈な、充実した、くどい、こってり」などと出てきて「ですよね?!?」と確信しつつ「そのレベルの接触ってあんま無いよ????」と余計照れた。

 

 

あまりはっきりとは書けないが私の会社のやりとりする企業から感染者が出た。すでに快方に向かっているとのことで安心したが知らせを受けた時たまたま一緒にいた親しくない上司に「ないよな?!濃厚接触!」とまっすぐ目を見て言われ、やけに変な気持ちになりつつ「あ、はい無いです…(照)」と目を右下に逸らすほかなかった。

 

 

その翌日、総務課より「その企業と濃厚接触があったか全員メール要返信」との通達があったのだがそこから怒涛の勢いで「濃厚接触ナシです」「濃厚接触ナシです」「濃厚接触ナシです」と延々続くので私の中の濃厚が麻痺してきた。むしろ濃厚でないことが不安になってくるわ。日本人よ淡白に生きとんなあ。

 

 

ともあれ早くこの不安定な状況を逸脱したいのが国民の総意なので誰かコロナウイルスに言ってやってください。お前ちょっと調子乗りすぎ。最高学年の文化祭と違うど。