全部おとぎ話であれ

きらいなものを1000文字で語る

いつメン

いつメンという言葉が嫌いだ。いつものメンツという意味。

 

 

私にはいつメンがいない。昔からそうだった。誰とでも仲良くなるからだ。誰とでも仲良くなる奴は特別親しい人ができない。私の人生はそれを30年以上かけて証明する物語だ。

 

 

誰とでも仲良くなる私を見て冷めた目で「おつかれさん」的なことを言われることがあるが別に疲れてない。お前が疲れるから他の人間も同様に疲れるだろうという前提をやめろ。

 

 

私は人と話すのが好きだ。それよりお前が楽しんで行く夏フェスのほうが疲れる。お前が「夏フェス最高~!」と載せるインスタに「大丈夫?無理してない?人付き合いに必死だね……本当にお疲れ様」とお前の言葉そのままにコメントしてやろうかと思う。

 

 

ついでにいうと夏フェスは暑い。暑いものはすべて嫌いだ。サウナも嫌、体育祭も嫌、ふわふわのジェラートピケのルームウェアも嫌だ。元彼に「こんなん着てや」と言われた時は「やだあキャラじゃないよお~~~」とはにかみながら脳内でぶん殴った。

 

 

いつメンとかいう奴らは「ニコイチ」「おそろコーデ」「親友ちゃん」などと書いては満足するが社会人になって会う頻度が減っていっても「結局このメンツが安定」「年1いつメン」とか言い出すからこわい。年1は「いつも」じゃない。年1になった時点で「いつメン」の看板を下げて「ひさメン」と掲げろ。

 

 

と言いつつ年末に友人たちとの集合写真で「いつメン」と書かれていたときは「えっいいんすか?!?」と喜びを噛みしめた。やった。私にもついにいつメンが出来た。いつメンライフの始まりだ。一回いつメンになったら一生いつメンだ。もういつメンを手放さない。ねえ君と私っていつメンだよね?普通より仲良いってことだよね?ねえそう言ったよねそうだよね信じてるからね絶対しがみついてやるから………

 

 

でも年始の行けなかった集まりの集合写真にも「いつメン」と書いてあった。なんやそれどついたろかと思いながらいいねを押した。