全部おとぎ話であれ

きらいなものを1000文字で語る

免許更新

免許の更新に行った。夫と誕生日が近いので子供を預けて一緒に行った。

 

 

朝イチに行ったのにとんでもない人数が行列を成していた。夫は「うわ、これ昼の部になるんじゃないん?あーたいぎいこんな並んだのに午前の部入れんかったらたいぎい」とボヤいていた。うちの夫は短気で無愛想、私は不機嫌になるんじゃないかとヒヤヒヤした。

 

 

長時間待ったのちなんとか受付を済ませなんやかんやの書類の記入をして、嘘みたいに適当な視力検査を終え顔写真を撮影し、講習に至った。

 

 

講習は私が1時間、夫が2時間の別部屋だった。夫が戻ってくるのをベンチで待っていると、体の大きい夫が出てきてずんずんとこっちに来た。ぱっちり二重の大きな瞳をギロッとこっちに向けて「帰ろう」と言った。

 

 

新しい免許証をお互いに見せながら車に戻る。長い講習を受けて疲れたであろう夫に「てかさ~あの事故のビデオみたいなん見たら『自分も気をつけよう』って思うよな」と話を振った。

 

 

すると夫がまっすぐと前を向いて言った

 

 

「いや俺ほんまこれ大事だと思うわ!!!」

 

 

え?好き

 

 

「俺ほんまこれ定期的にやった方がいいと思うわ!マジで大事だと思うわ!気持ちが引き締まるしほんま大切なことやわ!!!」

 

 

勢いすご

たいぎい言うてたのに

 

 

夫は講習の重要性を語りながら運転席に乗り込んだ。すごい真顔ですごいまっとうなことを言ってるその姿に圧倒された。その直後軽自動車に割り込みされて「おい!お前さっき講習で習っただろうが!!!」と車内で叫んでいてクソうけた。