全部おとぎ話であれ

きらいなものを1000文字で語る

人に恵まれてる

私って人に恵まれてる、と言う奴がいる。恵まれてるって何なん?そんなのお前がいいやつだからに決まっとるだろうがと言いたい。お前の手柄だろうが。

 

 

お前がいつも優しいし待ち合わせ時間守るし、誰かが酔っぱらってイキったこと言ってもにこにこして許すし、人の相談に親身になるし、とにかくお前が人を幸せにしとるんだろうが。だから良い人が集まってくるんだろうが。

 

 

そういう奴はだいたい何かにつけて周りの人に感謝とか言うけどその前に自分に感謝しろ。あと自分の親。まっすぐ育ったお前もすごいしまっすぐ育てた親もすごい。

 

 

たとえば昔ばなしの「おむすびころりん」を思い出してほしい。主人公のじいさんが落としたおむすびを追いかけて穴に落ちると、穴の底でネズミたちに熱烈歓迎されて小判を手に入れる。

 

 

それを聞いたよくばりじいさんが同じことをして儲けようとしたけどネズミの前で猫の鳴き真似をしたらキレられて小判を手に入れることができなかった。

 

 

この場合、主人公のじいさんは周りの人に恵まれてると言えるか否か。全然言えない。全然関係ない。だって主人公をもてなしたネズミは、よくばりじいさんの時と同じネズミだから。

 

 

つまりこの幸運は主人公のじいさんの元々のポテンシャルによるものだ。猫の鳴き真似をしなかった事実、もとい落としたおむすびを拾おうと追いかけるそのエコな姿勢。

 

 

だから人に恵まれるうんぬんは言いようだけで、その人自身の人間性が肝だということ。しょうみお前。お前はお前が最高だということを肝に銘じとけ。

 

 

でも落ちたおむすびは食べるな。